ワースト記録目前 元エース小林至氏の「東大野球部強化策」
現在はプロ野球史に残るスラッガー谷沢健一さん(元中日)が打撃を、元巨人のエース桑田真澄氏が投手を教えるなど、うらやましい指導態勢です。選手も他の大学にも負けないくらい猛練習に励んでいる。それでも結果に結びつかない。訓練だけではどうにもならず、ある程度は素質のある選手が必要です。うちにも、特待・推薦があればなどと、ないものねだりをするさまは、昔も今も変わらずですが、ひとつ違うのは、腕に覚えのある高校球児をリクルートしやすい状況にあるということです。
かつては他の5大学にも神宮の星を目指し、一般受験で入ってきた選手が、レギュラーに1人や2人はいたものです。石井浩郎氏(早大─近鉄、巨人他)、小宮山悟氏(早大─ロッテ、メッツ他)などもそう。しかし、今はどこも野球名門校のスター選手を招聘(しょうへい)しており、一般受験組は出る幕なし。だから東大との実力差は開くばかりなのですが、見方を変えれば、こうした選手をリクルートするチャンスでもあるのです。
■手厚いプランとブランド力
漫画「ドラゴン桜」にもあったように、情報化が進んだいま、東大に入る子は、必ずしも天才・秀才あるいは、小さい頃からガリ勉に励んだ人ばかりではありません。必要なのは膨大な知識でなく、必要最小限の知識を論理的・合理的に組み合わせて結論を導くコツです。これは、短期間で会得することは不可能ではありません。私自身も、偏差値40台から浪人1年で合格にこぎ着ける過程で、このことを実感しています。