楽天・松井 コントロール難より心配な「八方美人」の悪い癖
人目を気にするのはまだ早い。
一軍復帰戦となった19日の広島戦で、4回5四球3失点とボロボロだった楽天の松井裕樹(18)。相変わらずのノーコン病に、正捕手の嶋も「四球を怖がって腕が振れなくなる」と苦言だ。
その言葉通り、松井はピンチになるとチェンジアップを多投。高卒1年目らしい若さはなく、勝ちを意識して小手先でかわそうとする投球だ。
楽天は昨オフにエースの田中がヤンキースに移籍。高卒1年目の松井も戦力として考えている苦しい台所事情がある。勝ちにこだわる投球をしてしまうのも無理はないが、そもそもこの18歳は以前から周囲の目を気にした言動が多い。
中学時代は松井目当てでグラウンドを訪れるスカウトの姿を見て、「オレだけじゃなくて他のみんなも見てほしいのに」とチームメートにこぼしていた。松井は当時から仲良し集団の一員でいることを好んだ。その中で浮いてしまうことの恐れが、自分をアピールすることより先に頭をよぎるタイプなのだ。
今春のキャンプではこんなことがあった。牽制の練習で審判に何度もボークを取られると、その後のブルペンでは今キャンプ初のスライダー解禁。本来なら直球のみを投げ込む予定だっただけに報道陣は浮足立ち、翌日のスポーツ紙には「伝家の宝刀解禁!」の文字が躍った。松井は「スライダーを投げたのは何となくです」と、最後までハッキリした理由は言わずじまい。現地では「牽制下手が大々的に報道されるのを嫌がったのだろう。スライダーを投げればマスコミが食いつくこともわかっていたはず」と、もっぱらだった。