気負って焦るばかり…“空回り”に終わった香川の初W杯
コロンビア戦で香川真司(25)放ったシュートは、チーム最多の5本だが、初戦と2戦目は0本。これがFW香川のW杯をすべて物語っている。サッカーライターの平野史氏が言う。
「香川に求められていたのは、本田や長友と有機的に絡みながら相手を崩し、ゴール前までボールを運んでチャンスをつくり、自分でシュートを決めるようなプレーです。周囲の選手が動いてくれないと生きないタイプですが、それにしても何もできなかった。巧みなボールタッチや鋭いフェイント、素早いターンで相手をかわすという持ち味も消えていたどころか、パスミス、トラップミスも目立ちました」
コンディションの悪さも指摘されているが、何よりメンタル面での問題が大きい。一部では「ガラスの10番」と揶揄(やゆ)されている。初めてのW杯で結果を出したいと気負って、空回りするばかりだった。
「マンチェスター・ユナイテッドでレギュラーを確保できず、自信を失っていたのは明らかです。なのに、フィジカルもメンタルも最悪の状況なのにゴールを決めたいと焦り、かえってパフォーマンスを落とした。完全に悪循環でした」(平野氏)