ザック辞任 後任選びの前に日本サッカー協会がやるべきこと
日本人の特性であるアジリティ(俊敏性)と瞬間的なスピード、労を惜しまない献身性、最後まで走り回れるスタミナを武器にボールを出来るだけ保持し、奪われたらすぐに相手エリアで奪い返してショートカウンターを仕掛けていく--。
主将のMF長谷部は常々「自分たちのサッカーをする。それが勝利に近づく」と話していた。この「自分たちのサッカー」は、ザッケローニ監督と4年間を過ごした選手の誰もが口にした。アジア杯と東アジア杯で優勝し、W杯予選も突破した自信が裏付けとなった。
しかし、W杯では通用しなかった。なぜザッケローニ監督は、最も大事なW杯で場当たり的采配に終始したのか。
日本サッカー協会技術委員会による3試合の分析とザック・ジャパンの4年間の検証が重要になる。この分析・検証をしっかりやることが、ザッケローニ監督の正しい評価に繋がり、今後の日本サッカーの方向性を客観的に判断することが、次期監督選定に大いに役立つのは言うまでもない。
今大会と同じ成績(1分け2敗)でグループリーグ敗退に終った06年ドイツW杯は、田嶋技術委員長(現副会長)が総括する以前に川淵会長(現最高顧問)が日本代表の帰国会見の席で次期監督にオシム氏の名前を出し、検証作業はうやむやのままで終ってしまった。