日本代表を過大評価…メディアがサッカーW杯を歪めている
「悔しいですけど、こいつはすごい。頭ひとつというか、群を抜いている」
NHKが中継した15日の日本―コートジボワール戦を解説していた岡田日本代表前監督がこう言っていた。思わず、「こいつ」と感嘆するように口走ったのは、コートジボワールのFWドログバ(36)のことである。
アフリカ年間最優秀選手に輝くこと2度。イングランドのチェルシー時代にはプレミアリーグでも2度の得点王を獲得したアフリカの英雄はしかし、サッカー選手としては峠を過ぎた36歳。ただでさえ全盛期の圧倒的なスピードとパワーが衰えているところにもってきて、日本戦前には太ももを故障するなどコンディションは万全ではなかった。そんなドログバに日本代表は翻弄された。
後半17分にドログバがピッチに立つや、その強靭(きょうじん)なフィジカル、卓越したボディーバランスによるキープ力で一気に流れを変えた。日本は直後の19分に同点に追いつかれ、その2分後には逆転弾を献上。わずか「100秒で2点」を奪われる惨状に、岡田前監督も「ドログバの存在感」と嘆息するしかなかったのだ。