JFAの莫大資産は宝の持ち腐れ…選手育成より職員人件費
Jリーグが発足した93年度のJFAの予算は約35億円に過ぎなかった。それが「サッカーバブル」の恩恵を受け、約20年間で総資産から負債を除いた「正味財産」は約157億円まで膨らんでいる。実にJOCの9.2倍、日体協の4.9倍の額だ。
「JFAはあくまで日体協加盟の競技団体。それが上部団体をはるかに超える予算を組み、年間予算に匹敵する資産を構築するなんて異常です。蓄財するだけの余剰資金があるなら、JFAは日本サッカーのレベルアップや底辺拡大にマネーを投じるべきです。W杯の対戦国の情報分析や、国際的にみれば低い代表選手の勝利報酬にもっと予算を回してもいい。資産形成がJFAの役目ではありません」(スポーツライターの工藤健策氏)
■「協会の資産は2050年までのW杯優勝に必要」
今年度予算の内訳をみても、選手育成や競技普及にあてる「指導普及事業費」は約28億円。一方、JFAの役員や職員の給与などの「管理費」は約30億円を計上した。選手の育成費より職員たちの人件費が上回るなんて、アベコベ。潤沢な資産が泣くというものだ。巨額蓄財についてJFA広報グループはこう説明する。