メッシとネイマール 2人のエースが背負う「10番」の意味
「10番の選手は育てるものじゃない、生まれながらにして10番のユニホームを着ているんだ」
■ブラジル代表の10番には物足りなさ
下馬評はそれほど高くなかったアルゼンチン代表が、大会を勝ち進むうちに存在感を増しているのは、9番のイグアイン、そして10番のメッシ(そして7番のディマリア)と、役割がはっきりしているからだ。
アルゼンチンと比較すると、ブラジル代表の10番には物足りなさがある。そもそもネイマールは、サントスFCで頭角を現したとき、7番をつけていた。10番をつけたガンソとのコンビがサントスの強さの源泉だった。その後、サントスにロビーニョが戻ってきたため、ネイマールは7番を譲って11番をつけていた。本格的に背番号10をつけるのは、ブラジル代表となってからだ。
10番以外考えられないメッシと、結果として10番を背負うようになったネイマール。今週末、W杯は準々決勝――南米を代表する2人の「10番」の戦いは、いよいよ佳境に入る。
文・田崎健太(ノンフィクション作家)