メッシとネイマール 2人のエースが背負う「10番」の意味
やはり最後はメッシだった――。前半からメッシは何度もミドルシュートを狙っていた。その姿からは、自分がアルゼンチン代表を引っ張るのだという覚悟が感じられた。まさに背番号10のプレーだった。
背番号はサッカーの世界では、単なる数字ではなく、チームの中の役割を意味する。ブラジルでは子どもでさえも、自分に配られたユニホームの背番号で、ポジションとどのようなプレーをすべきか理解する。もっとも、4-4-2、あるいは、4-2-3-1、4-3-3とフォーメーションによって、背番号の役割は変わる。
しかし、9番がストライカー、そして、10番がゲームをコントロールする中心選手であることは変わらない。
元ブラジル代表FWのカレッカが、「9番」について実に簡潔な説明をしてくれた。カレッカは86年メキシコW杯でブラジル代表の9番をつけている。
「9番の選手は常にシュートを打つ意識を持たなければならない。90分間、隙があれば得点を狙うのが9番だ」
そして、10番――。ブラジル代表で82年と86年W杯で背番号10をつけたジーコは、「自分で試合を決める意志を持った選手」だと表現する。そして、こう付け加えた。