「検証」より「新監督」 前のめりサッカー協会の“本末転倒”
■またも原委員長のコネで決まる
ブラジルW杯で日本代表が惨敗する前から、代表監督への売り込みは殺到していた。
鹿島でJ史上初の3連覇を達成したオズワルド・オリベイラ(63)は、鹿島在任当時から「日本代表で采配を振りたい」と公言。手腕は国内でも評価が高いが、年齢オーバーでリストから外された。ブラジルの強豪コリンチャンスを率いて12年クラブW杯を制したチッチ(本名アデノール・バッチ=53)は年齢的にもOK。12年リベルタドーレス杯(南米クラブ選手権)優勝の金看板も持っている。
原委員長が臨時技術委員会後に「次はW杯、欧州チャンピオンズリーグ(CL)、リベルタドーレス杯と世界で修羅場をくぐった人がいい」と発言。わざわざ「リベルタドーレス杯」を引き合いに出したことでチッチも有力候補? という観測が広がった。
いずれにしても、ブラジルW杯惨敗の検証も済んでいないのに、「9月の代表戦に(後任監督人事を)間に合わせたい」というのもおかしなな話だ。
どうしてブラジルで勝ち点1しか取れなかったのか? ザックや選手が口を揃える「日本のサッカー」とは何か? これから代表チームをどう強化していくのか? 何も定まっていないのにザッケローニと同様、原委員長の個人的コネクションで代表監督が決まる。ザックの二の舞いにならなければいいのだが……。