選手の体調は二の次? 日本代表ベースキャンプ決定の裏事情
ザック・ジャパン惨敗の要因のひとつに挙げられる、「フィジカルコンディションの悪さ」。日本代表に帯同した技術委員会・原博実委員長も、「初戦のコートジボワール戦、2戦目のギリシャ戦と最高のパフォーマンスに持っていけなかった。ピークの持っていき方を検証しないといけない」と調整ミスを認めた。
事前合宿地の米国フロリダからベースキャンプ地イトゥ市まで日本代表をつぶさに取材したサッカージャーナリストの六川亨氏(元サッカーダイジェスト編集長)がこう言う。
「DFラインでボールを回せても、前線の選手の運動量が少ないのでバイタルエリアから先にボールを運べない。そのためにサイドに展開するしか選択肢がなかった。しかし、ゴール前は守備を固められて単調なクロスは簡単にはね返された。W杯での日本選手のプレーは、全体的に重いのひと言に尽きます。やはりベースキャンプ地はイトゥ市で良かったのか? 疑問が残ります」
■調整は「北海道」なのに試合会場は「沖縄」
初戦のレシフェ、2戦目のナタウは、ブラジル北東部で高温多湿地域。2000キロ以上離れたブラジル南部イトゥ市内の6月の平均気温は16度前後。単なる調整ならイトゥ市は快適だが、高温多湿の試合会場とは、あまりにも気候面が違い過ぎた。さらには、試合前日の長距離移動が大きな負担となった。