早大有原と一騎打ち 巨人ドラ1に盛岡大付・松本裕樹が急浮上
巨人が今秋のドラフト1位で盛岡大付(岩手)の150キロ右腕・松本裕樹(3年)を指名する可能性が出てきた。
10人前後に絞られている1位候補の中の筆頭は、早大の最速156キロ右腕・有原航平だった。他球団の関係者が「巨人の1位は有原でほぼ決まり」と口を揃える中、高校生投手では済美(愛媛)の安楽智大がただ一人、1位候補に入っているとみられていた。が、実はこの中に松本も含まれており、評価が急上昇しているというのだ。
岩手大会決勝で発症した右ヒジ痛を抱えながら臨んだ2回戦。優勝候補筆頭の東海大相模(神奈川)を相手に完投勝利を挙げたその松本は昨20日、3回戦の敦賀気比(福井)戦で、全力投球できずに三回途中9失点で降板。だが、ネット裏のスカウトからは「間違いなく甲子園ナンバーワン右腕。将来があるし、無理して欲しくないから、3回戦敗退はかえって良かった」(在阪パ球団スカウト)との声も出た。
■投手がダメでも打者転向できる
巨人は今年のドラフトで投手が欲しい事情がある。昨年の1位は投手の石川(ロッテ)を抽選で外し、捕手の小林を外れ1位で指名した。現在エース格の菅野が故障で離脱中。沢村は故障と不調で長い二軍暮らしが続いた。期待の若手も伸びてこない。セの東北担当スカウトが、「松本はヒジさえ完治すれば150キロの球威。変化球主体でも強力な東海大相模打線を抑えられるクレバーな投球術と制球力。牽制やクイックなどの完成度も高い。松坂(メッツ)のように相手の打者を見ながら、投球にメリハリをつけて投げられるのがプロ向き」と言ってこう続ける。