中畑監督の去就より心配 DeNAブランコに中日復帰の目
「最高だね。格好いい! (試合を)決めにいく人間が打てば、チームも乗っていく!」
DeNAの中畑監督がいつも以上に興奮した口調でまくし立てた。15日の中日戦。3-2の九回に抑えの三上が同点に追いつかれた。沈み返るベンチの空気はしかし、直後のトニ・ブランコ(33)のひと振りで一変した。1死走者なしで代打に登場したブランコが、左中間スタンドへサヨナラ本塁打。この日、休養のために先発メンバーから外れていた主砲が、7試合ぶりの一発で試合を決めた。
3位阪神とのゲーム差は4.5。ブランコの「絶対にクライマックスシリーズに行きます!」という力強い言葉に横浜スタジアムは大いに沸いたが、DeNA関係者は喜んでばかりもいられない。この主砲との契約が今季限りで切れるからだ。
「球団の中には、古巣中日への復帰を恐れる声がある。12年オフに中日を退団したブランコは、当時の高木監督と折り合いが悪く、それが移籍の引き金をひいた。その高木監督が昨年限りでチームを去り、しかも、今季から森ヘッドコーチが復帰した。森コーチはドミニカでブランコを発掘し、日本球界への道を切り開いてくれた大恩人。今も2人には強い信頼関係がある。その森コーチに誘われたら、DeNAとしては勝ち目がないという危機感があるのです」(球界関係者)