冨田のカメラ泥棒ではっきりした日本スポーツ界の深刻腐敗

公開日: 更新日:

日本に五輪を開催する資格はない

 そんな日本のスポーツ界を牛耳っているといっても過言でないのが、12年に政界から身を引いた森喜朗元首相(77)だ。日本ラグビー協会会長や日本体育協会名誉会長を歴任する森氏は、スポーツ好きといわれる。本人によれば、早大時代にはラグビー部に4カ月在籍したことがあるそうだが、定かではない。

「仮に、たった4カ月間部員だったとしても厳しい練習をしたわけでもない。OB面する神経がわからない」という声が、一部の若いOBにはあるという。

 森氏は首相時代、「神の国」発言で波紋を呼び、00年夏の衆院選では「選挙に興味がない人は寝ていてくれたらいい」と発言。01年2月には、高校生の練習船がハワイ沖で米国の原子力潜水艦と衝突して沈没した際には、緊急連絡が入ってもゴルフを続けていた。立場をわきまえない軽薄な言動から、「サメの脳みそ首相」と揶揄された。

 最近ではソチ五輪の舞台で転倒した浅田真央に対し、「あの子、大事な時に必ず転ぶ」と言って、世の反感を買ったことは記憶に新しい。

■スポーツ文化育成より利権が大事な上層部

 森氏は現在、20年東京五輪パラリンピックの組織委員会の会長でもある。スポーツライターの工藤健策氏は「政治家を引退しても森さんは、スポーツを利用して影響力を維持したいのではないか」と言ってこう続ける。

「選手あがりの役員では正常な組織運営は難しい。何より資金集めは一番の難問です。だから権威に頼り、ホイホイ政治家を連れてくる。五輪の場合は、そこに大きな建設利権が絡んでくる。政治家を引退した森さんが五輪ベッタリなのは、各団体に影響力を持ち続ければおいしい思いができるからではないか。すでに建設バブルで資材高騰や人手不足が起きている。予想されたことですが、大震災による被災地復興はますます遅れる。安倍さんが『汚染水はコントロールできている』と嘘ついて、20年東京五輪を招致した理由が鮮明になった。自国の民さえ救えず何が五輪か。財布を落としても返ってくると自慢した日本の、国を代表する選手が海外の大舞台で窃盗事件を起こした。これだって大変恥ずかしいことです。何度でも言いますが、この国に東京五輪を開催する資格なんてありません」

 スポーツバカの選手、彼らを育てた親に指導者、アホな選手を増長させるスポーツメディア……。そういったスポーツ界の大元締が「サメの脳みそ」の元首相なのだから、上から下までおかしくなるわけだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が