新人王やドラ1も…トライアウト選手59人の“悲痛な叫び”
「トライアウトを受けるのは不思議な気持ち。マウンドに上がって初めて、もしかしたら最後かなと思ったくらいです」
こう話したのは前ソフトバンクの江尻慎太郎(37)。01年の自由枠で日本ハムに入団、07年にはリリーフで7勝(4敗)をマークしてリーグ優勝に貢献したベテラン右腕だ。
9日に行われた12球団合同トライアウト。中日の落合GMら各球団のフロント幹部が集結した草薙球場(静岡)で、戦力外通告を受けた計59選手が最後のアピールに目の色を変えた。
だが、江尻のようにユニホームを脱がされたことにいまだ戸惑いを感じる選手も少なくない。
■阪神時代にメディアに囲まれ「嫌になった」
DeNAの11年ドラフト1位の北方悠誠(20)は、プロで1勝も挙げられず戦力外に。昨冬の台湾ウインターリーグでは最速158キロをマークしながら、今季からサイドスローに転向。フォームを崩し、制球難に陥って戦力外通告を受けた。
「ウインターリーグの時が一番良かったですね。でも、サイドに変えてからフォームがバラバラになり、元のフォームに戻そうと思ったけどできなかった。自分はプロでまだ何もやっていない。一軍でも投げていない。やめるのは北方悠誠の名前を一度でも大勢のファンの前で見てもらってからです」(北方)