新人王やドラ1も…トライアウト選手59人の“悲痛な叫び”
05年に希望枠で日本ハムに入団、06年に新人王に輝いた前オリックスの八木智哉(31)は家族が気掛かりでも「それはいま、考えることじゃない」とこう言った。
「一番上の子が6歳で、子供が5人います。不安は不安ですよ。でも、まだ野球を続けていくつもりですから」
阪神で掛布育成打撃コーディネーターから「小バース」と命名された左の大砲候補・森田一成(25)は帰り際にファンに囲まれたが、「阪神だからですよ」と苦笑い。話を聞こうにも、「もう阪神担当の人にコメントしたんで、今日は勘弁してください。阪神では多くのメディアの人にずっと囲まれて嫌になっちゃったんですよ」と話すと、車で関西へ帰って行った。
一方ですでに「クビは仕方がない」と割り切る選手もいる。前巨人の加治前竜一(29)は大卒7年目だ。12年には東京ドームで4度お立ち台に立つなどスーパーサブとして活躍するも、今季、一軍出場はゼロに終わった。
「戦力外を通告されて踏ん切りはついた? もうつきまくりですね(笑い)。十分にチャンスはもらいましたから。周りからは『巨人じゃなかったらもっとチャンスがあったんじゃない?』と言われることもありましたが、どの球団でも一緒と思う。激しい競争社会の中でチャンスをつかまないといけない。巨人の場合は、その強い気持ちがないとやっていけないですよ」
その表情は、どこかすがすがしくもあったが……。