モデルはハワイ横綱 逸ノ城が目指すべき“脱・腕力頼み”
モンゴルとブルガリアの「怪物」が土俵中央でぶつかり合った。
大相撲九州場所3日目、逸ノ城の相手は同じ関脇の碧山。192センチ、200キロの逸ノ城に対し、ブルガリア出身の碧山も192センチ、195キロの巨漢力士。一進一退の攻防は、首を抱えながらの上手投げを放った逸ノ城に軍配が上がった。
恵まれた体格で、親方衆すら「スケールがでかい」と羨望のため息をつく逸ノ城。モンゴル時代は草原から遠く見える山まで水をくみに行き、台車を2台つなげて800キロの水を運んでいたというエピソードもある。
「碧山には負けるものの、純粋なパワーは角界で2番目」という声も聞かれる。
もちろん、力だけでやっていけるほど相撲は甘くはない。腕力頼みで技をおろそかにした琴欧洲(現親方)は大関に出世してから伸び悩み、ケガで引退した。逸ノ城は力任せの相撲は取らず、先場所は巨体の割に素早く動けることも証明した。
将来の横綱が期待されているだけに、一体どんな力士になるのか。ある角界OBは「ハワイアン横綱がモデルケースになるんじゃないか」とこう言う。