広島ドラ1野間峻祥 「女手ひとつ」のサポートを母親が語る
野間が物を大事にするのも、そんな家庭環境と無関係ではない。「神戸須磨クラブ」に所属していた中2の時、しのぶさんに買ってもらった硬式用グラブを大学3年の春まで7年以上も使用した。グラブはスポーツ用品店で定価4万円以上のところ、「(店の)おっちゃんに安くしてもらって」(しのぶさん)、3万8000円に。そのうち8000円は野間がお年玉を貯めたものだった。
■小4で6年生チームのエースに
村野工高、中部学院大と野球を続ける際、姉と弟に援助してもらったこともある。
「生活がギリギリで、新しいスパイクがいるとか、合宿代が必要とかで困ったなという時、高校を卒業してアルバイトをしている姉が『これでタカ(野間)に買ってあげなよ』と何万円か出してくれたことは、一度や二度ではありません。高校を卒業してゴルフ場でキャディーをしている弟の方も、アルバイト代から出してくれたこともある。2人には本当に助けられました」(しのぶさん)
50メートル5秒8の俊足と遠投110メートルの強肩が武器。飛び抜けた運動能力は母親から受け継いだ。しのぶさんは学生時代、水泳とバレーボールに打ち込んだ。「球技は得意で足もクラスで1、2番だった」と言う。おじの福光さん(53)は、野間が進学した村野工で78年のセンバツに出場した経歴を持つ。