プロ野球はユニホームを脱いだら実は超学歴社会
以前、漫画家仲間があるプロ野球OBから聞いた話で、「へえ」と思ったことがある。
そのOBは高校時代に甲子園で優勝し、そのままドラフト1位でプロ入り。現役を20年近く続けた。現在は野球解説者。こわもての風貌とは裏腹な軽妙でユーモアに富んだ語り口を個性とし、新聞やテレビで活躍している。引退後も野球の仕事で飯を食っていけるのはほんの一握りということを考えれば、「勝ち組」に属するひとりと言っていいこのOBが、それでもいまだに、「実はプロ入りの際に明治大学への進学が決まっていたんです」と明かしながら、こう嘆いているというのだ。
「高校から直接プロには行かず、明治に行っておけばよかったなぁ。そしたら、ボクの人生も変わってましたよ」
最近になってよくこの話を思い出すのは、プロ野球界における「大卒ブランド」の強力さを、ボク自身が改めて痛感しているからなのである。
漫画原作の取材でうかがった某球団では、紹介されるフロントの方がほとんど大卒の元選手。現役時代には期待されたほどの活躍ができなくても、今はチームの経営側というか運営側でしっかり居場所を確保し、汗を流している。そう思ってこの球団の組織を見てみると、編成部門にもやはり大卒選手が圧倒的に多い。他の11球団も同じである。