<第13回>親方は一度やったら辞められない

公開日: 更新日:

「え? ウソだろ?」

 焼き肉をつつく手を止めた幕内力士が、もうひとりの力士の顔をまじまじと見つめた。

「マジっスよ。夏はエアコン一切禁止。冬もよほど寒くないと暖房つけちゃいけないって言うんスよ。こうやって外食した方が暖房があるんで、まだマシっス」

 こう言うと、年下の力士はため息をつきながら肉を口の中に放り込んだ。

 相撲部屋の経営は力士の人数や番付によってまちまち。しかし、それでもエアコン代の節約を強いられるほどに切羽詰まった部屋などあるのだろうか。相撲部屋は協会から結構な金額を支給されているからだ。

 まず、幕下以下の力士1人に月7万円、年間にして84万円が養成費として支払われる。これは十両以上になると養成奨励金という名目に変わる。年間にすると、十両114万円、平幕126万円、小結・関脇が156万円、大関216万円に横綱で276万円だ。

 加えて場所ごとの部屋維持費、稽古場維持費はそれぞれ、力士1人あたり11万5000円と4万5000円。年6場所なので、年間なら96万円になる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    【新連載】あくまで本人の意思を尊重。卒業生が覚悟を持って決めた進路を力いっぱい応援していく

  2. 2

    青学大・太田蒼生が東京マラソンで魅せた「実業団選手には決して真似できない」果敢な走りっぷり

  3. 3

    女子フィギュア「令和のマオちゃん」島田麻央 世界ジュニア3連覇でも五輪に出られない厳し現実

  4. 4

    セクハラ報道に株で逮捕…地に落ちた「3冠監督」のその後

  5. 5

    ミラノ五輪で再燃する女子フィギュア「4回転の呪縛」…坂本花織もビックリなロシア勢の戦線復帰

  1. 6

    卓球・木原美悠の父が教え子へのわいせつ容疑で逮捕!かつて語っていた天才愛娘へのスパルタ指導の中身

  2. 7

    公約に「平和」という言葉を19回も使ったラパルティアン、一度も使っていないサラマンチ

  3. 8

    プロ野球にもオンラインカジノ問題…蔓延はコロナ禍が一因? 阪神、広島「調査結果は今は言わない」

  4. 9

    交通規制で配送業者は悲鳴、ごみ大量投げ捨ても…駅伝・マラソン真っ盛りの裏で泣いている人たち

  5. 10

    箱根駅伝を無理に「世界」や「マラソン」と結びつけて感動を煽るヤボはいらない。駅伝は駅伝なのだ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  2. 2

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  3. 3

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  4. 4

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  5. 5

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    “勝ち組”は中澤、辻、藤本…「モーニング娘。」たちの明暗

  3. 8

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  4. 9

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  5. 10

    悠仁さま「人々の幸せを願い」成年会見で高まる将来への期待…愛子さまの“国民と苦楽を共に”との比較も