なぜ日本ツアー賞金王・小田にマスターズ招待状が届かない?
「(マスターズの)招待状が届いたら、練習ラウンドに行きたい。海外でも良い成績をあげたい」
年明けに今年の抱負を語ったのは、昨季の日本ツアー賞金王・小田孔明(36)だ。
ところが、肝心の招待状がまだ手元に届いていない。日刊ゲンダイが今月6日に所属事務所に問い合わせたところ、「届いていません」との回答だった。一般的にはマスターズ委員会からの招待状は、1月中にはすべて発送が終わって、松山英樹(22)のもとにはすでに昨年12月末に届いてる。ただ2012年には、3月上旬になって石川遼(23)の特別枠での出場が決まったこともあり、可能性はゼロではないが、この時の石川は賞金王ではなかった。
日本ツアーにとって賞金王が出場できないとなれば、“事件”だ。日本にツアー制度が発足した1973年以降、賞金王でマスターズに出場できなかったのは前田新作(1984年)だけだ。つまり、31年ぶりに賞金王に招待状が来ないのである。これは一体、何を意味するのか。
「今回の一件は、世界のゴルフ界が日本ツアーを見切り、中国をはじめとするアジア全体にシフトした、象徴的な出来事だと思います」と、米ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏がこう続ける。