最速154キロで3勝目も…マー君は“エンジン全開”の反動心配
ヤンキースのジラルディ監督は試合前、「タナカを見るポイントは2つ。ひとつは制球、もうひとつは球のキレだ」と言った。
3日(日本時間4日)のマリナーズ戦に登板した田中将大(26)。手首の炎症と前腕部の張りで、メジャーのマウンドは4月23日以来。約1カ月半のブランクがあったにもかかわらず、「制球」も「球のキレ」も合格点だった。
7回78球を投げて3安打1失点。4月18日のレイズ戦以来、46日ぶりの白星を挙げた。与えた四球はゼロ、毎回9奪三振のオマケまで付けた。
中でも冴えたのは左打者への内角ボールゾーンからストライクになるツーシームと、右打者への内角ボールからストライクになるスライダーだった。
昨年の本塁打王で4番のクルーズを3打数無安打と完璧に抑えられたのは、第1打席で見逃し三振に打ち取った内角スライダーのコースとキレが良かったから。このスライダーが効いて、その後の2打席はいずれも腰を引いた打撃だった。
三回、先頭の7番ミラーにカウントを取りにいったツーシームを右中間へ運ばれて三塁打にされると、次打者アクリーには二塁打を浴びて1点を失った。同点に追いつかれるとギアを上げた。四回と五回に152キロをマーク。七回2死から最後の打者だった5番シーガーを見逃し三振に仕留めた低めストレートは、この日最速の154キロをマークした。課題だった「制球」と「球のキレ」に加え、ストレートの「球速」も今季最高だった。三回に1点を失って以降は、七回に降板するまで13者連続凡退に打ち取った。