最速154キロで3勝目も…マー君は“エンジン全開”の反動心配
■154キロ速球は“完治”の猛アピールか
ただ、田中は故障からの病み上がり。それなのに、いきなりのエンジン全開だから、手放しでは喜べない。
昨季の右肘靱帯部分断裂は、いまだ完治していない。にもかかわらず飛ばしに飛ばし、今季最速をマークした反動が危惧されるからだ。
靱帯を痛めた田中は今季、投球フォームをコンパクトにした。これまで同様のフォームでは靱帯をさらに傷つける可能性があるため、肘への負担を少しでも軽減しようと考えた。報道陣には「今年は球速を期待しないで欲しい」とも話した。制球とキレで勝負するつもりだった。
しかし、肘をかばって投げた反動で、今度は手首と前腕部を痛めた。一度、切れた靱帯は、トミー・ジョン手術をしない限り完治しない。もともと手術に積極的だったヤンキースの上層部や一部フロントは、やはり手術しかないという思いを強くしたといわれる。
ヤンキースにとって田中は、7年総額180億円の高額商品。一日でも早く手術を受け、残りの契約期間をフルに働いてもらいたいのが本音。だましだまし投げて故障の繰り返しでは、とてもじゃないが元は取れないと業を煮やしたのは想像に難くない。