著者のコラム一覧
小野俊哉ノンフィクション作家

1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲取締役社長。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。

西武中村か日ハム中田か…パ初「60本塁打」の必要条件とは

公開日: 更新日:

 バレンティンが2年前に60本塁打したときは、3.75→7.47→13.1。第1Sを打ち抜く「早打ち打法」だった。2球までに25発を見舞っているが、3球目以降が35本。王の55発では3球目以降が39本とバレンティンより多い。王は好球が来るまで待つ「目の打法」だが、それを証明したのが、2年連続三冠王の74年49本のとき(6.40→7.12→9.88)。この年は2Sで本塁打率が10を切り、追い込まれても打てる不動心が一本足打法の境地だとわかる。

 さて中村は、6.14→9.17→25.8。空振り三振せずに「2Sでも仕留める精度が必要」だろう。中田は、6.75→12.4→16.7。「1Sで、読みの一発がもっと打てるはず」だ。高卒2年目の森友哉西武、12本)は、8.40→22.5→25.4。第1Sの決め打ちがはまれば飛ぶが、以後は相手に翻弄されっ放し。場数を踏むことが必要だ。

 ちなみに、交流戦13試合で9本塁打し、セのトップ18本の畠山和洋(ヤクルト)は、11.8→6.13→21.0。1Sで打てなければ本数は伸び悩むと思う。

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