落合さんから受けた珍マンツーマン打撃指導
落合さんには一度、2人きりで打撃指導をしていただいたことがあります。
ある年の春のキャンプで足を故障した僕は、リハビリをかねて軽くティー打撃でもしようと、メーン球場に隣接するエアテントに向かいました。そこに、本隊の練習から離れ、オレ流調整で打撃練習をしていた落合さんがいました。
邪魔しちゃ悪いと、端っこで軽くティー打撃をやっていた僕に、「おい、ちょっと打ってみろ」と声がかかりました。
落合さんの打撃練習は独特です。スローカーブのような緩い球しか打ちません。その日もエアテントにはカーブマシンがセッティングされていました。打ってみろと言われるがまま、打席に入ると「違う。左に向いて構えろ」と言います。
ホームベースをまたいで、捕手に背中を向ける形で構え、正面から来るマシンの球を三塁側に打てと言うのです。
あのー、これだと空振りしたり、ファウルすると、体に当たっちゃうんですけど……。
「いいんだ、それで」