錦織の怪我はなぜ「左足」に集中? フィジカルの専門家が分析
問題は「ふくらはぎ」ではないのかもしれない。
錦織圭(25)は、ウィンブルドン選手権1回戦でシモーネ・ボレリを3時間22分の激闘の末、撃破。しかし、直前のゲリー・ウェバー・オープン準決勝(途中棄権)で痛めた左ふくらはぎの故障は完治しておらず、試合中は治療のタイムを取り、最後は足を引きずっての勝利だった。
錦織は「(足は)大丈夫」とはいうものの、左足の故障は今回が初めてではない。
13年1月のブリスベン国際準決勝では、左ひざ炎症で途中棄権。昨年3月のソニー・オープン準々決勝では、ジョコビッチ戦を前に左足股関節痛のために棄権した。いずれも患部は左足である。運動選手の体に詳しいフィジカル・トレーナーの平山昌弘氏がこう言う。
「ふくらはぎやひざ、足首を痛めるのは足の根っこ、つまり股関節に問題があるケースが多い。どんな競技でも試合になれば予想外の動きをするシーンが出てくる。例えば右利きのテニス選手で左足が軸足になるのは、サーブとバックハンドの時。特にバックサイドに振られた際、股関節の可動域が限界を超えれば異常をきたします。股関節が正常に働かなければ、無意識に左足をかばい、負担のかかる左のふくらはぎや足首を痛めるのです」