マインツ移籍「感慨深い」 慶大の恩師が語る武藤嘉紀の素顔
日本代表FW武藤嘉紀(22)が今夏から、独ブンデスリーガ1部のマインツに移籍する。3月に英プレミアリーグの名門チェルシーからオファーが届いたが、出場機会の多いマインツを選択したのは「堅実な武藤らしい」と評判だ。そんな武藤が「本当にお世話になった」と話すのが慶応大ソッカー部監督(※同大では「ソッカー部」が正式名称)の須田芳正氏(47)。恩師が大学時代の武藤について語った。
付属の慶応義塾高校に在学している「(FC東京ユース所属の)凄い選手がいる」とは聞いていました。その後、FC東京の村林前社長(慶応大応援部出身)や元強化部長で慶応大ソッカー部OBの鈴木さんに「大学でやらせるよ」と言われ、直接「大学でやるんだよね」と聞いたら「ハイ」と二つ返事でした。
最初の印象は「スーパーな子が来たな」。入学前の2月、関東学院大との練習試合でいきなりハットトリック。「とんでもない選手」「モノが違う」と思いました。まずはスピードが違う。得点に直結するプレーができる。難しいことはしていないのに点が取れる。
当時の慶応大には好選手が揃い、武藤の加入でリーグ優勝も夢ではないと思いました。ただ、彼をどのポジションで使うか悩みました。左FWで起用すると最初の試合で2ゴール。決め始めると止まらなくなるタイプです。中央大とのリーグ戦では、右サイドからドリブルを始め、カットインして左足でズドン。ちょうど日本代表初ゴール(ベネズエラ戦=14年9月)と同じパターンの豪快なゴールだった。これはイケルと思っていたら左膝をひねり、半月板を損傷して半年間のリハビリです。武藤はスピードを生かし突進していくので、ケガが多かった。「もっと周りの選手を使え」とアドバイスをしたのですが、単独で突破できてしまうので、突進してはケガ、の繰り返しでしたね。