渡辺元智氏勇退の横浜高 命運を握る平田徹新監督の素顔
【前横浜高校野球部部長・小倉誠一郎氏 特別寄稿】
高校野球の一時代が終わったと感じる。
28日、横浜は神奈川大会決勝で東海大相模に敗れ、今夏限りでの退任を表明している渡辺元智監督(70)のラストゲームとなった。今後は総監督の立場でチームをサポートする。
渡辺は長年、病気と闘ってきた。89年には胃かいようで長期入院。2年間部長を務めた時期もある。04年には脳梗塞で倒れ、その後は体力強化のため、練習前に毎日グラウンドを2時間ほどウオーキングするのが日課となっていた。体調管理には気を配っていたが、近年は腰痛やメニエール症候群も発症。「体力の限界」と漏らしていた。
横浜の野球部で同期だった渡辺とは通算20年以上もコンビを組んだ。かつては「一緒に辞めよう」と話していたが、二人三脚で歩んできた私が一足先、昨夏にチームを去ったことで負担が増えたようだ。甲子園歴代3位タイの51勝。長い間お疲れさま、と言いたい。
新監督の平田徹部長に触れておこう。横浜OBで高校時代のポジションは捕手。3年時には主将を務め、エース畠山、後にプロに進んだ円谷、荒波、成瀬らの下級生と共に01年夏の甲子園で4強に進んだ。県大会決勝の桐光学園戦でこんなことがあった。