M点灯寸前のソフトバンク 工藤監督の“無色采配”に評価の声
ソフトバンクの二軍には、岩崎、東浜、帆足、山田、千賀という先発陣が出番がなくてウズウズしており、2013年首位打者の安打製造機・長谷川もいる。「二軍でも、今の中日より強い」なんていわれるほど、豊富な戦力を有している。年俸4億円の松坂が故障で戦力にならなくても痛くもかゆくもないのだ。
「そもそもこういうチームでなければ、工藤は監督要請を断っていた」という見方もある。
昨年ソフトバンクは、「続投する」と語っていた秋山監督が日本シリーズ前に突然辞意を表明。フロントはすぐに監督候補を工藤一本に絞ったものの、工藤監督は同年から筑波大大学院人間総合科学研究科に通い始め、トレーニング法やコーチング理論を研究している最中だった。球団関係者たちは工藤監督に断られた後は、外国人にまで視野を広げる覚悟でいたという。
それが、予想外ともいえるほどあっさり引き受けた。「そこは計算ですよ」と、ある球界関係者がこう言う。
「工藤は西武、ダイエー、巨人で優勝経験があり、優勝請負人と呼ばれた。通算224勝を挙げた名投手。それだけにプライドが高く、筑波大大学院へ行ったのも、高卒の学歴にコンプレックスを持っていたからです。進路についてはかなり慎重で、11年にDeNAから監督要請があったが断っている。ヤクルトの古田が戦力がないチームで兼任監督をやって苦労していたことを知っているし、指導者になるなら優勝を争えるチームと決めていたからです。コーチでも監督でもボロボロになれば、現役時代の経歴に傷がつきますからね」
工藤監督がベンチではしゃいでいるだけなら、ソフトバンクは記録的な独走優勝を果たすに違いない。