中日を戦力外の吉川が活躍 改めて問われる落合GMの“眼力”
「急に決まったけど、勇人さんの代わりをしっかりできたと思います」
ヤクルトを下して首位に返り咲いた4日の試合。ヒーローインタビューに呼ばれた巨人の吉川大幾(22)は緊張した面持ちでこう言った。
ゲーム差なしで迎えた首位攻防戦。試合前の練習中に腰痛を訴えて欠場した坂本に代わって、急きょ「7番・遊撃」の先発メンバーに指名された。「突然だったので、逆にすんなり(試合に)入れた」との言葉通り、2安打1打点の活躍。中でも、ヤクルトに1点差に迫られた直後の七回無死一、三塁で放った左前適時打は、「貴重な1点? 自分でもここで点が入れば大事な1点になると思った。結果にこだわって打席に入りました」と自画自賛である。
大阪・PL学園から10年のドラフト2位で中日に入団。「立浪2世」と期待され、その先輩がつけていた背番号3を与えられた。が、中日では通算34試合の出場で28打数4安打(打率.143)と芽が出ず、昨年のオフに戦力外通告を受けた。
「クビを切ったのは、落合GMです。確かに、二軍でもなかなか結果が出ず、練習態度に問題があるとの声もあった。それでも12年にスイッチヒッターに転向し、ようやくそれが形になってきた矢先のことですからね。高卒4年で見限るのは早計だろうとの意見がチーム内にはありました。そもそも、入団時にドラフト2位での指名にゴーサインを出したのは当時の落合監督ですからね。どっちにしても、どこを見てたんだ、という話です。堂上剛裕(30)だってそうですよ。パンチ力は中日でもトップクラスだったのに、吉川と一緒に戦力外。育成で拾った巨人ではちゃんと戦力になっているじゃないですか」(中日OB)