報徳出身のロッテ大谷恐れる母校の“TD”と“MD”って何?
「ウチの母校出身の選手に“TD”“MD”という英単語を言ってみてください。みんな嫌な顔をしますから(笑い)」
報徳学園と言えば、春夏通算3度の甲子園優勝を誇る野球名門校。現在も多くのプロ野球選手が活躍しているが、在籍した歴代部員がいまだに恐れる練習が、ロッテ大谷智久(30)の言う「TD」「MD」と呼ばれるランニングだという。
「TDは『トラックダッシュ』の略です。1日2回、ほぼ毎日行われるランニングで、グラウンドの一塁側横にある200メートルトラックを部員全員で計10周ぐらい走る。もちろん、ただ走るだけではなく、目標タイムと連帯責任があるので。これが……きついんです」
トラック1周の目標タイムは約35秒。一生懸命走ればクリアできないタイムではない。が、当時で総勢80人ほどの部員は全員が足の速い選手ではない。しかも、ひとりでもこのタイムをクリアできないと、連帯責任によりその周回はカウントされない掟がある。そのため、部員は連日、何十周もトラックを走らされるのだという。
「僕は足が速い方ではなかったので、一度倒れて救急車で運ばれたことがありましたし、尾崎(元日本ハム)はTD後に血を吐いていたこともあった。特に1、2年の時は後れを取って上級生に迷惑をかけてはいけないというプレッシャーもあって、その言葉を聞くだけで憂鬱になりましたよ」