3度の“ノーノー未遂” 引退レオ西口が1年目にみせた大物感
「200勝には届きませんでしたが、入団1年目に見た時からこのぐらいの投手になるとは思っていましたよ」
23日に引退会見を行ったべテラン右腕について、西武OBの片平晋作氏がこう言った。
94年ドラフト3位で立正大から入団した当時、二軍監督だった片平氏は、西口の大物ぶりに目を見張ったという。
「1年目は球団の方針で米国の独立リーグに野球留学させたのですが、状態が非常にいいという報告が現地から入り、予定より早く帰国させたのです。ブルペン投球を見ながら加藤(初)投手コーチと、彼の能力を見極めるにはどこでデビューさせるか話し合いました。数日後、浦和でのロッテ戦(二軍)の八回に無死満塁のピンチを迎えた時、『行ってこい』と送り出したところ、3者連続三振に仕留めて淡々とベンチに戻ってきた。普通の新人ならガッツポーズでもして喜ぶものですが、西口はベンチに座ると涼しい顔で汗を拭いている。『やるな、コイツ』と思ったものです。東尾監督に『肝っ玉の据わった大物です』と報告しました。東尾監督はこういうタイプの投手が好きですから、後半戦は9試合に使い、初完投、初完封勝利も収めましたね」