トリプルスリーのヤクルト山田 視力0.4で本塁打量産の秘密
「打者はボールを単に見るのではなく、バットに当てるという動作が加わる。いくら視力が優れていても、バットを振らなければよく見えて、バットを振ると見えなくなると嘆く選手は少なくありません。打者にとって大事なことは視力の良し悪しではなく、『眼の使い方』なのです」
視覚情報センターのHPには、「眼は勝手に動くわけではありません。『あれは何? 見たい。見たくない』といった心(見る気)の有り方と、身体を伴います」と記されている。
「眼を部分的な器官としてではなく、心と身体まで含めた一体のものとして考える。この眼と心と身体を連動させられる人は『眼の使い方』がうまいということになります。過去にイチロー選手ら多くの選手を見てきましたが、『ボールがゆっくり見えた』などの事例を70%以上の打者が経験していました。実際はボールのスピードは変わらなくても、調子が良いと心で感じ、体調も良い時はボールがゆっくり見えたりする。武術の世界では“目付け”と言いますが、山田選手は視力は低くても、優れた『眼の使い方』ができているから、ボールに対する反応や選球眼などが良く、好成績につながっていると考えられます」(田村氏)
ヤクルトは26日から優勝を争う巨人と2連戦。山田の視力では測れない「眼力」が優勝への背中を押すか。