「保身ばかり考えている」 元球団社長が阪神フロントに大苦言
大阪のスポーツマスコミがかまびすしい。
リーグ優勝の可能性が完全に消えたことで、和田監督(53)の続投は消滅、後任候補は金本知憲(47)、掛布雅之(60)、岡田彰布(57)らだと騒いでいる。
和田監督は今年が4年目。過去3年間の成績は5位、2位、2位。昨年は日本シリーズに駒を進めたとはいえ今年も含め3年連続で勝負どころの9月に失速した。指揮官の手腕に問題があるのは事実だろうが監督のクビをすげ替えれば勝てるようになるのか。勝負強いチームになるのだろうか。
「現場のサポート、新人の補強、育成などさまざまな部分で、いまのフロントはぬるま湯に漬かっているというか、少しずつ甘いのではないか。12球団が競争しているわけですから、ちょっとした甘さも積もり積もれば大きな差になってしまう」と、03年にリーグ優勝した当時の球団社長である野﨑勝義氏(関西国際大客員教授)はこう言った。
「例えばマートンが開幕直後、相手ベンチに暴言を吐いたり、スタメン落ちに激怒してふてくされたりしたことがあった。明らかにチームの和を乱す行動でフロントは厳罰に処してしかるべきなのに何のペナルティーも科しませんでした。星野さん(元阪神監督、現楽天副会長)は外国人選手に配慮しても遠慮してはいけないと話していましたが、そういう姿勢を貫くべきだと思います。あれでは外国人選手は何をやっても許されるということになりかねません。他の選手に示しがつかないし、チームの統制も取れない。和田監督も気の毒です。血を流しても現場をサポートするべきフロントが、自分たちの保身ばかり考えている気がします。中村GMを招聘したのは結果が出なかったときに責任を取らせるのにちょうどいいからだという話も聞きましたしね。野球がチームスポーツである以上、フロントと現場に一体感がなければ、もてる力をフルに発揮することはできませんよ」