空席1万人で協会謝罪 ラグビー界は“なでしこ”の二の舞い
五郎丸への取材が殺到するヤマハの試合は、報道陣の人数制限など、各メディアに規制が通知された。ラグビー協会やトップリーグ運営委員会の処理能力がパンクしてしまっているのだ。
「女子サッカーを思い出します。11年ドイツW杯で優勝したなでしこジャパンのメンバーには帰国後、取材が殺到。中でも沢穂希への取材申請のFAX用紙が手提げカバンいっぱいになったほどです。申請を確認するだけでも数日間かかり、対応は後手後手。ドタバタしている間にロクな取材も出来ないまま、世間のなでしこ熱は冷めてしまった」(前出の関係者)
そうでなくともこの国の“ファン”は熱しやすく冷めやすい。なでしこリーグの観客動員数はW杯制覇に沸いた11年の1試合平均2796人をピークに減少の一途をたどり、昨年は同1593人。カナダW杯が行われた今年は多少持ち直したものの、それでも同1823人とピーク時には及ぶべくもない。今年のワースト観客数は411人というありさまだった。
「大きな大会があるたびに注目していただいていますが、常に人気が離れてしまう不安を抱えています」
これは、なでしこジャパン主将の宮間のセリフだ。
ラグビーも五郎丸ブームに浮かれているわけにはいかない。勝負はここから。開幕したトップリーグで玄人をうならせ、素人を興奮させる試合を続けなければ、なでしこの二の舞いになる。