錦織圭とラケット“生涯契約”を結んだ「ウイルソン」の思惑
■ラケット開発には莫大な経費が
錦織は海外のトップクラスの選手と比べて178センチと上背がなく小柄で故障も多い。今季も7月の全英では左ふくらはぎを痛めて2回戦で棄権。11月のマスターズ・パリ大会では左わき腹を痛めて3回戦の途中でコートを自ら離れるなど、不安は少なくない。2年連続で世界ランク10位以内をキープしているとはいえ、常に故障のリスクが伴う。仮に長期欠場でもすれば、スポンサーとしては宣伝効果に誤算が生じる。しかし、ギャンブルともいえる生涯契約には、こんなメリットがある。
「選手に合ったラケットなどの用具開発には莫大な経費がかかる。選手に3~5年で契約を打ち切られると、それまで蓄積してきたデータやノウハウなどが全て無駄になってしまう。錦織は25歳とまだ若いだけに、大きな故障さえなければ向こう10年間はプレーできる。設備投資などのコストを考慮すれば、長期的な投資が可能なだけにプラス面は大きい」(前出の関係者)
成績でもフェデラーに並んで欲しい。