投球だけじゃない G菅野解禁“魔球”ワンシームの意外な効能
巨人の菅野智之(26)が14日、宮崎1次キャンプ最終日の紅白戦に先発し、2回を無安打無失点に抑えた。
「制球にばらつきがあった。ただ、やりたいことはできた」と話したエースは、スポーツ紙が「魔球」と書くワンシームを3年ぶりに解禁。二回2死からシュート気味に沈むそのワンシームで吉川を遊ゴロに打ち取った場面を挙げ、「ゲッツーで終わりたい時、左打者の外に逃げていくボールが使えれば、内もワイドも使える。あれが理想形」と充実感をにじませた。
観戦した長嶋終身名誉監督は「やっぱりいいよな~。実際見てみると球は速いし、14日に今の球が投げられる。巨人でナンバーワンといわれる球を投げていたね」と上機嫌で宮崎を後にすれば、対戦したドラフト2位ルーキーの重信も「球のキレが凄かった。今まで見た中で一番でした」と目を丸くさせた。
今季のテーマは「相手を圧倒する投球」。直球の威力と球のキレを増すため、オフから右腕と指先の力を重点的に強化した。ボールを押し出す力が強くなり、変化球が昨季より曲がるようになったという。広島・吉年スコアラーは「直球の加速度が増しています。(菅野の)ワンシームは、左(打者)からは逃げ、右には膝元に食い込んでくるから厄介。去年より良くなっていますね」と警戒を強めた。