シャラポワは嘘つき? 禁止薬物「気づかなかった」の疑問
女子テニスのマリア・シャラポワ(28=ロシア)のドーピング違反の一報は世界に衝撃を走らせたが、解せないことがある。
ドーピング違反が発覚したのは全豪オープンが行われていた1月26日。シャラポワが女子シングルス準々決勝で、S・ウィリアムズ(米国)に敗れた直後に受けた薬物検査で陽性反応が出たという。そこで検出された「メルドニウム」という薬物は、本来心臓病やホルモン調節などに用いられるものだが、持久力アップの効果があるため、今年1月に新たに禁止薬物に追加されていた。
「いくつかの健康上の理由で10年にわたって使用していた薬」と言ったシャラポワは、WADA(世界反ドーピング機関)から送られてきたメールに添付されていた禁止薬物リストを開かず、「気がつかなかった」と会見で説明した。
しかし、この件にはいくつもの疑問がある。
まず、シャラポワほどの選手なら、専属トレーナーなどが禁止薬物については常にチェックしているはずなのに、本人任せになっていたことだ。