シャラポワは嘘つき? 禁止薬物「気づかなかった」の疑問
さらに、「10年前から家族がかかりつけのドクターに処方してもらっていた」というこの薬は、ラトビアの製薬会社が製造しているもので、米国では認可されていない。健康上の理由で使うなら、拠点としているロサンゼルスにも処方してくれる医者はいるし、良薬もあるだろう。
疑惑を濃くしたのは、くしくも7日にロシアのフィギュアスケート連盟が発表した件だ。ソチ五輪の団体戦で金メダル獲得に貢献したエカテリーナ・ボブロワ(25)とドミトリ・ソロビエフ(26)組が、ドーピング違反の疑いで30日開幕の世界選手権(米・ボストン)を欠場することになった。このペアは、12月のロシア選手権に優勝。1月の欧州選手権でも銅メダルを手にしたが、大会中のドーピング検査で、ボブロワの検体から、シャラポワと同じ「メルドニウム」が検出された。
先月5日には国際自転車競技連盟が、グランツール常連のロシアのエドゥアルト・ヴォルガノフ(33)の検体から、やはりメルドニウムの陽性反応が検出されたと発表した。
3人に共通する「ロシア」「世界のトップ」「メルドニウム」は、単なる偶然なのか。
国際テニス連盟は7日、シャラポワに12日から暫定的な資格停止処分を科すと発表。シャラポワとスポンサー契約を結ぶ米スポーツ用品大手のナイキは、事実関係が明らかになるまで契約を一時中断すると発表した。