「韓国8番手」でも米挑戦続けるイ・ボミのしたたかな計算
14日、女子ゴルフの最新の世界ランキングが発表され、先週の日本ツアーで今季初勝利を挙げたイ・ボミ(27)は16位とランクを2つ上げたものの、「韓国人選手8番手」の位置づけは変わらなかった。
韓国人選手のリオ五輪出場枠は4つ。五輪出場を目標に掲げるイ・ボミは、日本ツアー開幕前に世界ランクの加算ポイントが高い米ツアーに出場したが、24位と振るわず、今後も海外メジャー2試合に出場する予定だ。しかし米ツアーと日本ツアーではポイントが4倍近く違うため、極めて厳しい状況にあることは間違いない。それはイ・ボミ自身が「みんなが調子悪くて、私がすごく良くないと無理」と、言っていることからも明らかだ。
それでもあえて米ツアーに参戦するのはなぜか。「五輪はあくまで口実で、今後の米ツアー挑戦の布石でしょう」と関係者がこう続ける。
「ジュニア時代に自分だけ韓国で国家代表になれなかった悔しさ。そして米ツアーで活躍している韓国人選手に強烈なライバル心を抱いている。ただ日本で賞金女王になってすぐに挑戦となると、稼ぐだけ稼いで米ツアーかと、イメージダウンにつながる。これまで『日本に来て私の人生が変わった』『引退は日本でしたい』と、日本のファンを意識した発言を繰り返し、好感度を上げてきた。その結果、ファンクラブの会員数は2000人を超え、11社のスポンサー企業のうち10社が日本企業になり、契約金は総額3億円といわれている。ファン離れ、スポンサー離れは避けたいところです。米ツアーは4日間大会がほとんどで、レベルが高く、生活環境も違う。いくら日本ツアーで実績があるとはいえ、どこまで通用するかわからない。ダメだったときの逃げ場を残しておきたいのでしょう」
生涯獲得賞金約5億7800万円、スポンサー料を合わせると日本で莫大な金額を稼ぎ出しているだけに、なかなか計算高そうだ。