五輪4連覇狙う吉田沙保里 年齢の“衰え”はどこに表れるか
史上初の4大会連続金メダル獲得に向け、吉田沙保里(33)不安要素があるとすれば、年齢から来る体力の衰えだ。
吉田にとって初の30代で迎える五輪。3大会連続で世界ランク2位のソフィア・マットソン(26=スウェーデン)との対戦となった昨年の世界選手権決勝では、最大の武器である高速タックルをあっさりとかわされるなど大苦戦。最後の30秒は息が上がり、相手の攻撃をしのぐのがやっとで、スタミナ切れは明らかだった。しかも昨夏からぜんそくに悩まされている。
フィジカルトレーナーの平山昌弘氏がこう言う。
「いくらトレーニングを重ねていても、30代になると体力的な数値が急カーブを描いて降下し始め、筋肉の強度、弾力性が落ち、関節も弱くなる。イメージ通りの動きができなくなります。レスリングは常に動かなければならない競技ですから、なおさらです。基礎体力が落ちれば呼吸循環の負担が大きくなり、息が上がる。また動体視力も落ちてくる。若い時のように相手の動きが瞬時に読めなくなる。動体視力の低下は判断力や瞬発力、反射神経にも影響します」