澤穂希の影も レスリング吉田沙保里「フリー宣言」の裏側
「来年からはフリーという立場でいろんなことにチャレンジしたい」
女子レスリングで五輪3連覇中の吉田沙保里(33)が突然のフリー宣言である。
24日、都内で会見した吉田は所属先のALSOKを年内いっぱいで退社すると発表。今後の所属先は未定で、当面は母校の中京女子大(現至学館大)を練習拠点にして来年のリオ五輪での4連覇を目指すという。
前日の全日本選手権では13連覇を達成し、リオ五輪出場が確定したばかり。五輪史上初の女子4連覇がかかる「霊長類最強の女」は、「日本人では(男子も含めて4連覇は)いないので、集中して頑張っていかないと」と4個目の金メダル獲得に意欲を見せた。
リオ五輪開幕が8カ月後に迫った今、所属先を辞めれば、何かとリスクも伴う。「(入社して)10年間の節目でけじめをつけたかった」と説明したが、引退後の第2の人生を見据えてのものであるのは明らかだ。
吉田は来年の10月で34歳。リオ五輪後については「どうなるかわからない。リオで引退するためにフリーになるわけではない」と否定したが、体力的に20年東京五輪出場は厳しい。国内外のライバルたちが力をつけているだけになおさらだ。