体調不良も楽々V トンプソンの“別格スイング”をプロ分析
【ワールドレディスサロンパス杯】
優勝会見のわずか3時間後には、米帰国に向けて成田空港から飛び立っていった。日本“メジャー”初出場で初優勝を飾った招待選手のL・トンプソン(21)だ。
通算13アンダーで単独首位発進の最終日は4バーディー、4ボギーの72とスコアを伸ばせなかったが、3日間の貯金を生かして楽々逃げ切った。
今大会4日間のドライビングディスタンスはトンプソンが278.8ヤードでランク1位。初日9番パー5では男子プロ並みの300ヤードを記録している。
日本女子ツアー屈指の飛ばし屋として知られる渡邉彩香(22)の265.8ヤード(同ランク2位)より13ヤードも飛ばしていたのだ。
トンプソンのスイングは日本の女子プロと一体どこが違うのか。田原紘プロがこう解説する。
「日本の女子プロでは見たことがない鋭角なダウンスイングが特徴です。日本女子プロのスイングがU字軌道だとしたら、トンプソンはV字。180センチの長身を生かし、男性的な力強さを持ち合わせたスイングです。フィニッシュが崩れて変則に見えますが、右肩を素早く飛球方向に出して引っ掛けを防いでいるのもパワーがあるからです。左ひじが高く上がらず、低いフィニッシュに収まっている。トンプソンのスイングの完成度の高さは、芝質が違う日本で勝ったことで実証され、世界のどこで戦っても通用するはずです」