桃田に代わりリオ五輪へ バド佐々木翔が語った苦悩の日々
「(闇カジノ賭博で代表を外された)桃田(賢斗=21)や、その家族、関係者の気持ちを考えると素直には喜べなかった」
9日、バドミントンのリオ五輪代表が発表され、2大会連続で出場を決めた男子シングルスの佐々木翔(33=トナミ運輸)が、複雑な心境を吐露した。
佐々木は3月の時点で世界ランク19位。桃田は同2位に付けていたため、1枠しかない五輪代表は絶望的だった。一度は引退を決意し、6月には所属先と進退について話し合う予定だったが、桃田に無期限の競技会出場停止処分が下ったことで状況は一変。世界ランクで日本勢1位に繰り上がり、代表入りの可能性が浮上したのだ。
桃田の処分が決まったのは4月10日。佐々木は桃田が世界ランキングから抹消される同28日までの約3週間、不安な日々を過ごしたという。
「(海外)遠征中でしたが、眠れない日も多かった。代表入りの可能性が出てきたけど、目が覚めると『やっぱり、ダメかもしれない』と思うことが3週間も続いたのできつかった。(ロンドン五輪前から)メンタルトレーニングをしていなければ、乗り切れなかったでしょう」
佐々木が悩んでいる姿を目の当たりにした両親や琴美夫人(33)は、あえて五輪の話題を避けていたそうだ。代役の佐々木は、「周り(の見方)が変わっただけで、自分のやることは変わらない。全力で行くだけです」と締めくくった。