ひさびさ日本人三つ巴も 鈴木愛が図らず吐露した技術不足
「18番はパーで上がりたかったけど、自分のミスなので仕方ない。(持ち球は)ドローだったんですけど、サロンパスカップでボールが激しくあちこちにいっていたのでフェードに戻して、だんだん真っすぐを意識した。基本はストレート系です。今年はフェードしかないと思っていたが、絶好調だったのでドローにして良かったです」(鈴木)
つまり、18番ではボールが転がるドローで2オンに失敗してボギーとし、狭いスペースにボールを止めるフェードの技術が鈴木にはなかったわけだ。田原紘プロがこう指摘する。
「プロの大会では、パーで上がればいいという安易な気持ちでは勝てません。最後まで攻めて攻めて、バーディーを取らなければという強気な姿勢じゃないと、ボールは狙った方向に飛んでいきません。中途半端な気持ちだとスイングに迷いが生じるからです。鈴木が本戦18番でピンを狙ったのは正解なのですが、PWを手にしながら止めるフェードの技術がなかった。その点、韓国人プロが残り120ヤードでショートアイアンを手にすれば、何事にも動じない機械のようなスイングが体に染みついており、寸分の狂いなくドローでもフェードでも狙ったところに運んでくる。勝負どころの安定感ということでは鈴木よりも韓国選手のほうが上です」
久しぶりに日本人プロ同士の優勝争いになったが、拙さばかりが目立つ内容だった。
ゴルフにタラレバはないが、ドロー、フェードと自在に打ち分けられるイ・ボミが優勝争いに加わっていれば、鈴木の勝利もどうなっていたかわからない。