セ最多安打で広島牽引 菊池涼は“日の丸”がモチベーション
広島の菊池涼介(26)が1日のロッテ戦の二回に一時勝ち越しとなる適時打を放った。
2死一、二塁から、追い込まれながらもチェンジアップを拾い、三遊間を抜いた。「1打席目はチェンジアップでやられたので、その球をうまく打ち返せて良かった」と貴重な勝ち越し打で4試合連続安打とすると、八回にも右前打でこの日2安打を放った。今季75安打はリーグ最多。同4位の打率.325の恐怖の2番打者として、チーム打率.272の強力打線を引っ張っている。
14年は打率.325でリーグ2位と躍進したものの、昨季は.254と一気に落ち込んだ。両膝の靱帯を痛めながら強行出場を続けていたからだ。
菊池の打撃は「ポイントは前」が特徴。変化球で体勢を崩されても、強靱な下半身で粘りながらバットのヘッドで拾えるのが最大の武器だった。それが昨季は影を潜めた。内角はさばけず、外角を拾おうにも膝に怖さがあったという。オフは落選した「プレミア12」を唇を噛みながら見た。菊池が言う。
「昨年は苦しかった。両膝をテーピングでガチガチに固めて試合に出ていたんです。膝が曲がらないから粘りも出ないし、はっきり言ってストレスでしたね。今年はそれがないだけでだいぶ楽。下半身が柔軟に使えるし、安打が出ているのはそれが大きいと思います」
定評のある二塁の守備は球界一。今季はバットでもチームを引っ張り、25年ぶりのリーグ優勝と来年のWBC日本代表返り咲きが、最大のモチベーションである。