勝ち星遠いヤンキース田中 評論家は首脳陣の“過保護”指摘
日本人エースが勝ち星から見放されている。
6日(日本時間7日)のエンゼルス戦に登板したヤンキース・田中将大(27)。7回を6安打2失点とまずまずの投球を見せながら、5月27日以来の白星を手にできなかった。
今季ここまで12試合で4勝1敗。防御率2.76は10試合以上に先発したア・リーグの投手の中で8位だ。クオリティースタート(QS=6回以上を投げ、自責点3以内)は8回。打線の援護にも恵まれず、好投しても報われないマウンドが少なくない。
今季の田中は速球をほとんど用いず、変化球主体の投球。フォームにも力感はなく、昨季までのように相手打者をねじ伏せるような迫力にも欠ける。一昨年に痛めた右肘の不安もささやかれているものの、「ここまでの投球を見る限り、右肘の痛みからは解放されたと思う」と言うのはNHKの大リーグ中継で解説を務める評論家の武田一浩氏だ。
「フォーシームを投げないのは、投球スタイルを変えたためです。ツーシーム、特にシンカー気味の球を投げていることからも、今季は打たせて取るスタイルを心掛けているのがうかがえます。変化球に手を出させることで極力、少ない球数で打ち取る狙いでしょう。今季の状態を見る限り、昨季までのように離脱することなく、シーズンを通して働くのは十分に可能だと思いますね」