ミスに切れ選手委縮 阪神金本監督に問われる“大将の資質”
「コーチ論」の著者でスポーツライターの織田淳太郎氏もこう語る。
「王(貞治)さんも巨人の監督時代(84~88年)は、かなりイラついていた。それは、自分の現役時代に重ねて、『なぜ、そんなことができないのか?』と思っていたからです。金本監督も同じで、今の若手を物足りないと感じて、イライラしているのかもしれません」
本紙にコラムを連載中で98年に横浜を日本一に導いた権藤博氏は、「人前で怒るのは最悪。選手を萎縮させるだけだ。コメントを新聞で読む他の選手も、次回は自分が、と同じように萎縮してしまう。怒るなら人目のつかないところへ連れて行き話をするべきだ」と言い、元巨人の名将・川上(哲治)監督から、「若手をガンガン怒っちゃいかんよ」とも言われたという。かつて名将たちも選手の怒り方で失敗し、その教訓から数々のことを学んできたのだ。
現役時代は手首を骨折しても試合に出てヒットを打った鉄人はファンの心を打ったかもしれないが、指導者としては何の実績も経験もない素人にすぎない。ならば、謙虚になって先人に学ぶべきだろう。