ミスに切れ選手委縮 阪神金本監督に問われる“大将の資質”
91年のドラフト4位で広島に入団した金本監督は、厳しい指導と怒声によって育てられた。当時はチームを背負うような有望選手ではなく、寸暇を惜しんでの練習と筋力トレーニングで鋼のような体を作り上げ、レギュラーの座を手に入れた。コーチの怒声をバネに変える反骨心もあった。
でも、最近の選手は違う。巨人、西武、中日、ダイエー(現ソフトバンク)のコーチを歴任した黒江透修氏が言う。
「今の選手は怒ってもダメ。08年に西武のヘッドだった時、中村のエラーで負けたことがあった。次の日も必死に守備練習をするわけでもなく、数日後、また平凡なゴロを捕れずに負けた。雷を落とそうと全選手を集めたところ、中村が私の目を見てすまなそうな顔をしている。ここで怒ったら逆効果になると思い、『今日はおかわりのエラーで負けたが、おまえのホームランで勝つこともある』と言ったら、次の日から中村の練習態度がガラリと変わった。そういう機転がきいたのも、コーチの経験が長かったからです。金本監督は、コーチも二軍監督の経験もない。だから選手に感情をぶつけてしまうのでしょう。打順を下げられたり、失策を怒られている鳥谷は、かなり反感を持っているのではないか」