後輩躍動にもひと役 早実清宮は“コーチ”もこなしフル回転
早実の清宮幸太郎(2年)の夏が幕を開けた。10日、西東京大会2回戦の啓明学園戦に「3番・一塁」で出場。1点リードの三回、低めの変化球をすくい上げ、ライナーで右翼ポール際席に運んだ。1打席目はバットを振らずに四球。夏の初スイングが高校通算51号となった。
「カーブを狙っていたので、うまくさばけた。全然入るとは思わなくてフェンスにも届かないと思った。打球が見えなくて審判のジェスチャーで分かった。ボール球も見れたし、本塁打も出たんで上出来」と1本塁打2四球の活躍に笑顔を見せた。
自分のことよりうれしいのが後輩の躍動だ。打者一巡となった三回。自身がストレートの四球で歩かされると、1年生で4番を張る野村が左翼席に3ランを叩き込んだ。一塁走者だった清宮は手を叩いて大喜び。
「確かに自分が打った時よりうれしいかもしれませんね。去年の自分より全然上。去年の4番(加藤)と比べて? 遜色ない。加藤さんに申し訳ないか」と後輩を持ち上げた。
「1打席目はガチガチだった」と言う野村が実力を発揮できるよう、一役買っていた。試合前のウオーミングアップから後輩に密着。「まだ慣れていないだろうから、こんな感じなんだよって教えてあげるというか、慣れてもらえばいいなと……」と手取り足取りまではいかなくても、的確な助言と気配りで“コーチ”ぶりを発揮していた。野村とは3、4番コンビを組み、相手投手の特徴や配球を指南することもあるようだ。