「悲しい…」 PL学園OB橋本清氏が母校の最後を見届け手記
大阪の花園中央公園野球場は、試合前から異様な雰囲気に包まれていました。今夏限りでの休部が決まっている、母校・PL学園野球部の大阪大会初戦。スタンドは、2回戦だというのに通常の3倍にあたる2800人の観衆で埋まり、220人もの報道陣が集結。球場には元阪神の木戸克彦さん(55)、元巨人の吉村禎章さん(53)、元ヤクルトの宮本慎也さん(45)らプロ野球経験者だけでなく、多くのOBが駆け付けました。
負ければ、これがPL野球部の最後になるかもしれない。みな、祈るように見守った試合はしかし、東大阪大柏原の7-6で決着しました。
「残念でしたね」
取材陣からそう水を向けられましたが、残念では片付けられません。初回に2点を先制し、七回に一度は逆転するなど、たった12人の部員で懸命に戦ってくれた後輩たちを思うと、なかなか言葉が出ませんでした。
休部ということにはなっていますが、事実上の廃部と私は受け止めています。昨年1月、OB会が野球部の存続を願い、OB300人の署名を集めて学校側に嘆願書を送りました。名門の火を消してはならない──という思いはしかし、学校側には一顧だにされませんでした。